開発秘話
液だれ防止ノズル「シャット弁」の開発ストーリーをご紹介します。
シャット弁が完成するまでには、いくつもの大きな壁がありました。
ナオミ独自の加工技術を用いた液だれ防止ノズルがどのように誕生したのか、
開発のきっかけや発売までの道のりをぜひご覧ください。
原点
現場の「困った!」が
商品開発のきっかけに。
ある日、充填作業を行う工場の社長から「液だれを何とか解決できないだろうか?」とご相談を受けました。
お客様のお困りごとをなんとか解決したい!と思い、液だれを防ぐ製品の開発が始まりました。
充填を止めても、充填ノズルから液がポタポタ落ちてしまうことで容器に充填物がついたり、内容量が均一にならなかったりする課題が発生していました。
探究
型おこし、成形、
テストの日々・・・
ノズルの先端にチューブをつけることで液ダレを止められないかと開発を始めたものの、思ったように成果が上がりませんでした。形を六角にしてみたり、三角にしてみたり、口を一文字にしてみたりと、試行錯誤の日々が続きました。
形が悪いのか、厚みか、硬さか、口の形状か・・・。なるべく簡単な構造で液だれがピタッと止まり、容器へ正確に充填できるようにするにはどうしたらいいか社内メンバーで試行錯誤の日々が続きました。満足のいく結果が得られず、型をおこし、成形し、テストを繰り返す日々。気付けば3年の月日が経過していました。
実験成功!
しかし新たな問題発生…
試行錯誤を繰り返していたある日、ある資料から充填する口を十文字にしてみると液だれが止まるのではないかと確信を得ました。
そこで実験してみたんです。すると、驚きです!液ダレが見事にとまったんです!3年目の成果でした。ところが、喜んでいるのも束の間・・・ここで新たな問題が発生しました。
薄いシリコンゴムの口を鋭利に、そして、正確にカットできる工場がなかなか見つかりませんでした。何軒も相談しに歩き回りました。しかし、どの工場からも返ってくるの答えは「そりゃあ無理ですよ」という言葉。
しかし、何日も粘り強く探し続け、ようやく制作してみようという工場が現れました。何度も試作を繰り返しました。
誕生
ついに「シャット弁」が完成!
協力工場のお陰で、ついに液だれを高確率で防止するアイテムが誕生しました。液だれをシャットアウトするという意味を込めて、アイテムの名前は「シャット弁」と名付けました。「よし、これで液だれで困っている人たちのお役に立てる」そんな喜びでいっぱいでした。
その後、導入されている機械の先端ノズルのサイズや、充填する材料の粘度の違いに対応できるよう、サイズのバリエーションや、硬いもの軟らかいものなど素材に工夫をこらし、使用できる範囲を拡大していきました。今では、食品製造工場、大手医薬品会社や化粧品会社などで広くシャット弁を愛用いただいております。